本谷有希子の小説「生きてるだけで、愛。」が映画化になる

本谷有希子の小説「生きてるだけで、愛。」が映画化になるということで、山に登る前のサブカルボーイだった2008年に書いた小説の感想を転載します。

生きてるだけで、愛/本谷有希子
ひきこもりの主人公はかなり無理やりにバイトをすることになって、バイト先の人はヤンキーなんだけど、いい人ばっかりで温かくって、泣いちゃうくらい温かくって、ひきこもりやめるのかなと思ったら、順調すぎることに怖くなっちゃって逃げ出しちゃう。
そんな自分がいやで、それでも自分の思ってることを極限にならないと言えないから、彼氏をマンションの屋上に呼び出して全裸になって言う。
津名木はあたしが嫌いになったら別れたらいいよね、でもね、
あたしはあたしと別れられないんだよ。自分が間違ってるのはわかってる。ちゃんとしないといけないのもわかってる。でもね、どうにもならないの。あたしの生きている意味はあるの?
と。
結局、物語の最初と状況は変わらないんだけど、津名木はあたしのことを認めてくれてるから少し救われた。そしてあたしは生きていく。生きてるだけで愛なんだ。
暗い話なのに暗くないのは、作者の主人公への愛があるから、生きることは愛なんだとわかるようなわからないようなことを書いて終わりにします。ご清聴ありがとうございました。

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

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